咬む力は歯の健康と咬み合わせで決まります。
健康な歯をお持ちのAさん。
彼女の咬む力、咬合力を100とします。
そして、それぞれ歯の部位における咬合力の持分を以下のように考えます。
それぞれ歯の咬み合わせのブロックで合計すると「100」になります。
上下の歯が揃って、初めて「咬合力」としての意味を持ちます。
こちらはBさん。
右下の歯が2本、欠損しています。
本来、上下の歯が揃って初めて咬むことが出来ます。
しかし、右下の2本が欠けてしまったがために、
それと対を成す右上の歯が咬み合う力を発揮することが出来ません。
よって、それぞれの部位の咬合力は半減することになります。
こちらのBさん、翌年には欠損が増えます。
昨年に比べて、右下奥歯、さらに一本抜けてしまいました。
左上の奥歯は3本、健康な状態にありますが、対となる下の歯がないために、
咬むことが出来ません。
よって、この部分は咬合力に寄与しないことになります。
健康な歯が何本あるか、
今までの歯科治療、予防歯科はそれを基準にしてきました。
しかし、日々の生活の中で歯が機能を果たすためには上下の歯が揃い、
咬みあうことが何より重要です。
いいやま歯科医院では、
この咬合力を70以上にキープすることを目標としております。
「咬合力」から見た治療方法の選択
健康な自分の歯がすべてで、咬合力が100の状態が続くのが理想です。
しかし、現実には虫歯や歯周病の治療において、歯に詰め物やかぶせ物をし、
欠損に至るとなんらかの方法で人工的な歯を作らねばなりません。
まず、患者様ご自身の歯を残す治療に対して全力で取り組みます。
マイクロスコープを使った根管治療に実績があり、
ひどく虫歯に冒された歯であっても、丁寧な根管治療を行い、
最適な材料をご提案します。
欠損した場合
歯が欠損した場合、
その場所に咬合力を持たせるためには3つの選択肢があります。
歯が欠損した場合、その場所に咬合力を持たせるためには3つの選択肢があります。
- ブリッジ
- 入れ歯(義歯)
- インプラント
まずブリッジですが、歯が欠損した場所の両側に健康な歯があることが必須になります。
両側の歯にかぶせものをし、欠損した部分の歯の力を両側の歯に分散します。
デメリットとしては、もともと3本あった歯が2本となり、
ブリッジをかけた歯の負担が増えてしまうことです。
それにより、ブリッジをかけた歯も欠損するリスクが高まります。
次に入れ歯(義歯)です。
ブリッジのように欠損した場所の条件に関係なく、用いられる一般的方法です。
入れ歯にも様々な種類があり、保険適用できるものから保険外の材料のものまでございます。
咬合力に関してですが、
入れ歯となった部分については本来の咬合力の20%前後の能力を持たないのが一般的です。
ですので、総入れ歯になった場合、全部の歯はかみ合わせることが出来るものの、
健康な歯の状態に比べると20ほどの咬合力となってしまいます。
そしてインプラントがあります。
欠損した歯の場所にネジを埋め込みます。
咬合力については、ご自分の歯と同様の能力を発揮するものです。
大きなデメリットとしては保険適用外で費用がかかるということ、
そして治療期間が長めになるということです。