虫歯の根の治療②ラバーダム
前回(こちら)に引き続き、虫歯の根の治療のご説明をします。
歯の根の治療は、根の穴の中にある虫歯の原因(細菌)を取り除くわけですから、もちろん治療中に唾液が中に入ってしまうことは許されません。唾液の中には細菌がたくさんいます。そこで使用するのが、ラバーダム防湿と呼ばれる処置です。
ラバーダムとは、お口よりやや大きい、正方形のゴムのシートです。シートに穴をあけ、治療を行う歯だけを穴から出して固定します。そうすると、他の歯はシートで覆われますので、唾液が治療中の歯に混入することはありません。溜まった唾液は、治療のアシスタントが器具で吸い取りますので、苦しい際には手を上げて教えてください。また、ラバーダムを使用しますと、治療する歯が乾燥した状態になり、治療効率の上昇にもつながります。
歯の根の治療を最善に行うためには欠かせませんし、世界的には多く行われている処置です。しかし、ラバーダムをセットするには、時間と労力、そして材料費がかかりますので、日本では約10%の歯科医院でしか行われていません。あってもなくても治療費は変わらないのです。
できる限り自分の歯を残すには、様々な処置を行い、その可能性を少しずつ上げる必要があります。ラバーダムもその一つです。そのために、私たちは根の治療の際に必ずラバーダムを行っています。
次回は根の治療を終えたあとの、つめものやかぶせものの違いをご説明いたします。