歯周病その2・歯は悪くならない
8020運動という言葉を聞いたことはありませんか?
これは「80歳のとき20本の歯を残せるように予防歯科に取り組みましょう」というスローガンです。
しかし、20本の歯で、今と同じような食生活は送れるでしょうか。
歯が抜ける原因のほとんどが、虫歯か歯周病です。
つまり、虫歯や歯周病にならなければ歯はなくならない。
そして、歯が悪くなるのは年齢は関係ないということです。
次の写真は、どちらも同じ年代の別々の方のお口の中の写真です。
同じ年齢でも、歯が何本あるか、歯ぐきは引き締まっているかなど、お口の状態が違うのは明らかですね。
歯を失うのは、お口の環境が悪いからです。まだ○○本残っているから大丈夫…という問題ではありません。お口の環境を改善しないと、歯は悪くなる一方です。そのためには、8020運動どころか、一本でも失わないことを目標としなければなりません。
下のグラフは、年齢別の歯周病患者の割合です。
10代、20代でも、半分以上の方が歯周病にかかっています。
では、若いうちから歯周病にかかると、その進み具合はどうなるでしょうか。
黄色の線が、若いうちから歯周病にかかった方の、骨のなくなり具合を示しています。ヘビースモーカーの男性や、45才で歯周炎になった方よりも、将来なくなってしまう骨が多くなってしまいます。歯が悪くなったから、痛いから、で歯科医院に行くのでは遅いのです。
予防歯科は、歯を一本も悪くさせない、という取り組みです。
先ほどのお口の中の写真を思い出してください。
右の方と左の方で、食べられる量や質が違うというのは、想像がつくでしょうか。固いおせんべいを自分の歯で食べられるのはどちらでしょう。人の目を気にすることなく、好きなものを好きなように食べられるのは、どちらのお口でしょうか。
歯はこうした生活の質を左右する重要な機関なのです。
80才になっても、今と変わらない食生活を送るために、ぜひ、歯科医院を頼ってください。