歯周病その1・歯周病の治療なくして虫歯の治療なし
ご自分の歯と歯の間、歯茎が三角に見える部分をご覧になってみてください。
どうでしょうか?きれいな三角になっていますか?
ここは歯間乳頭といって、歯周病になったとき、真っ先に腫れる場所です。
この写真のような状態であれば、歯周病でなく、健康的な状態です。
それでは歯周病のお口の中を見てみましょう。
上の写真の○をつけた部分は三角でなく、腫れて丸くなっています。
歯周病は、歯の病気ではありません。歯の土台となる歯茎の下の骨がなくなってしまう病気です。
土台がしっかりしていない状態では、歯の治療は十分に行えませんし、表面だけの治療をしても、長持ちしませんね。
そこで、いいやま歯科医院では、まず歯の治療より先に、歯周病の進行を防ぐことからスタートします。
対策その① 自分の状態を知る
・お口の中の写真を12枚撮ります
・歯一本につき六ヶ所で歯周病のチェックを行います。
・レントゲンを14枚撮影します
これに加えてやっていただきたいのが、唾液検査(虫歯リスクテスト)です。
虫歯も歯周病も、もとは細菌の感染から始まります。であれば、口の中にどのような細菌を持っているのか、検査を行って数値を出してみましょう。
これらの資料をそろえないと、治療は行えません。やみくもに処置をしても、根本的な解決にはならないからです。
対策その② お口の環境を整える
お口の状態がわかったら、環境を整えます。治療をしたあと、その状態を維持するためです。
そのためには歯科医院と患者様ご自身の協力が必要になります。
歯ぐきより下にある細菌の塊や歯石は、歯ブラシでは取れません。歯科医院で歯科衛生士が除去します。
しかし毎日歯にくっつく歯垢は、患者様が歯ブラシで落とす必要があります。そのために、歯科衛生士が歯ブラシ指導やデンタルグッズの提案を行います。
このようにお口の細菌をコントロールすることをプラークコントロールといいます。これを行うことで、歯周病の進行を防ぎ、治療を行っても問題のないお口の状態を作り上げるのです。
そしてこのくり返しが定期健診です。
定期健診でプラークコントロールを行い、常にお口の環境を保っているのと、悪くなるたびに治療をして、お口の環境には手つかず。どちらが虫歯や歯周病になるリスクが高いでしょうか。
定期健診を受ければ、悪くなった口腔内環境を、元のレベルまで引き上げることができます。しかし、悪くなったらその都度歯科医院に来る、という状態では、元に戻るのには限界があります。削った歯や溶けた歯茎の骨は直らないからです。
では、もう一度ご自分の歯をご覧になってください。
歯茎はきれいなピンクですか?引き締まっていますか?
赤く腫れていたり、出血したりしていたら、歯周病の進行が始まっています。
歯周病の治療は、若ければ若いほど将来に影響します。虫歯がないから…と歯科医院を受診しないは間違いです。歯を悪くしないために、歯科医院を訪れてはいかがでしょうか。