歯周病4・治療の前にまずはお口の環境を整えましょう
当院の治療の進め方をご紹介いたします。
まず、どんな患者様でも、緊急性の高い場合以外は、お口の環境を整えること、歯周病治療から開始します。
では、なぜ歯周病治療が必要なのでしょうか?
歯を支えている土台は、歯ぐきの下の骨です。
この骨がどんどん弱くなってしまうことが、歯周病です。
歯周病が進むと、その上にある歯はどうなるでしょうか。
①は健康な歯ぐきです。歯垢(プラーク)もついておらず、この状態を保つことができれば、歯は悪くなりません。
②の黄色い部分が歯垢です。歯ぐきが少し赤く腫れはじめました。
③の灰色の部分は、歯垢が固まって、歯石になったところです。歯石になると、ご自宅での歯磨きでは落とすことができません。歯科医院で機械による除去が必要になります。また、歯ぐきの腫れが目立ち、歯と歯茎に隙間ができてきました。
④だいぶ歯周病が進んだ状態です。歯ぐきは弱くなり、歯がぐらぐらしています。
⑤さらに進むと、歯が抜けます。
この②~⑤のような、歯を支える土台が悪いままの状態では、いくら虫歯を治療しても、その後長持ちさせることはできませんね。
歯周組織は、歯を支える体の一部です。歯周病とは、歯そのものの病気でなく、歯ぐきとその下の骨の病気なんです。
歯の土台を安定させるために、まずは歯周病治療を行いましょう。
治療の流れ【1】検査
まずはお口の状態をチェックします。お口の中の写真、レントゲン写真、歯周病の進行度、お口の中にどんな細菌がいるか、詳しく検査します。それの上で歯科医師が診断を行い、歯科衛生士が患者様に合った歯周病治療をご提案します。
治療の流れ【2】初期治療
歯の汚れは二種類あります。お食事の後の食べかす(歯垢・プラーク)と、歯に根付いてしまった歯石です。
食事のあとのケアは、ご自身のブラッシングで落とせます。そのために歯科衛生士がブラッシング指導を行わせていただきます。
歯石は歯科医院でしか落とせません。機械を使って歯科衛生士が除去を行います。
このお口の環境を整える治療を、約一ヶ月行います。
治療の流れ【3】再評価
【1】の検査をもう一度行い、環境が改善されたか確認します。
その結果、まだ虫歯治療を行えるまでになっていなかった場合、【2】を再度行います。十分に環境が整っていたら、虫歯の治療に進むことになります。
治療の流れ【4】メインテナンス
治療が終わっても、この先また悪くならないように、定期的に検査と衛生士による歯石の除去を行います。
このメンテナンスを徹底し、検査で良い数値を保ち続ける限り、歯が悪くなることはありません。歯周病治療はお口の健康を保つ土台となるものです。歯科衛生士が患者様の健康をサポートいたします。一緒に頑張りましょう。